▲先日のアルファ碁というソフトが、世界最強の中国の棋士を3連覇して以来、人間の頭脳は、人工知能には勝てない—という空気に一度に切り替わってしまった。
表題は、ソフトバンクの孫社長の言いだ。
まぁ、そのくらいだろうなぁと思う。
30年という言葉の意味は、来年くらいから徐々に切り替わっていって、30年後には単純作業という仕事自体がなくなるもの—と解釈するのが妥当であろう。
すると、筆者などが死ぬ頃は、もう、ロボットによる介護ということになるのか。
なるほど、そう覚悟するしかないな。
以下、新聞から抜粋。
ソフトバンクグループは米グーグルの持ち株会社アルファベットから、同社傘下のロボット開発ベンチャーの米ボストン・ダイナミクスとSCHAFT(シャフト)を買収することで合意。
両社は二足歩行などロボットの制御技術に優れる。
ソフトバンクは人工知能(AI)で人の感情を読み取るヒト型ロボット「ペッパー」を手掛けるが、「筋肉」にあたるメカ技術は苦手だ。
両社の技術を取り込み、ロボット技術を強化する。
買収額は非公表だが、数百億円とみられる。
ボストン・ダイナミクスは1992年の創業で、米国防総省の国防高等研究計画局(DARPA)の支援を受けて二足歩行口ボなどを開発してきた。
2013年にグーグルが約5億ドル(約550億円)で買収したが、開発の方向性などを巡って対立。
グーグルが売却を獏索していた。
一方のSCHAFTは東京大学の出身者が設立したベンチャー企業で、DARPAが主催する災害救援ロボの大会で活躍。
グーグルが13年に買収した。
2社はロボットのメカを操る技術で世界的に注目を集めている。
最近はボストン・ダイナミクスが開発し、車輪付きの両足でスキーのスラロームのように動く「ハンドル」が話題を集めていた。
ただ、グーグルのロボット事業は事実上頓挫し、2社の動向が焦点となっていた。
トヨタ自動車も16年、買収に名乗りを上げ、米アマゾン・ドット・コムも関心を示していたとされるが、ソフトバンクが競り勝った。
ソフトバンクは15年にペッパーでロボ分野に参人した。
ペッパーは手や百は動くが、二足歩行はできない。
歩行技術の獲得を狙い、実は水面下でアシモ」を手掛けるホンダに提携を打診したが、条件が折り合わなかった。
ソフトバンクは2社の買収で、泣きどころのメカ技術を手に入れた。
通信が本業のソフトバンクがロボットに力を入れる背景には、孫正義社長の超長期戦略がある。
孫社長はAIが人類の知恵の総和を超える「シンギュラリティー」が20年ほどで来ると予測する。
そうなれば「あらゆる産業が再定義される」が、最も変化が大きいと見るのが人間による単純労働の現場だ。
孫社長は「今後30年ほどでブルーカラーはメタルカラーに置き換わる。つまり、スマートロボットが社会を変える」と話す。
そんな時代を見据えた取り組みの第1弾がペッパーだった。
最大の特徴は人の感情を読み取る技術にある。
すでに2000社以上が導入しているが、ソフトバンクロボティクスの冨沢文秀社長も 「客寄せパンダにとどまることが多い」と認める。
段差を越えられないなど動きに制約が多く、役割が限られるからだ。
苦手だったメカの技術を手中にしたソフトバンク。
孫社長もロボット事業は「すぐにカネになることはない」と認める。
AIの進化をにらんだ長期視点のロボ戦略の第2幕に足を踏み入れる。
▲補足、感想など
単純労働がなくなったら、どうするんだ? てな疑問に答えた書き込みがあった。
妥当かどうかは筆者には分からない。
しかし、ある方向性は示しているようだ。
--ここから--
2012/11/17(土)
>
デフレの原因は、IT化・ロボット化とグローバル化による雇用機会と賃金の減少ではないかと
そんな物は存在しない。
IT化、ロボット化は雇用を増やす。
何故ならば、ロボットやコンピューターはプログラミングやデザインが出来ないからだ。
ロボットをマトモに動かそうと考えれば、優秀な技術者が大量に必要になる。
ロボットは業際産業であるため、多数の高度な技術が必要だ。
機械工学を始め、制御工学、システム工学など多岐に渡る。
本気でIT化、ロボット化を進めたらソフト、サービスはどんどん
労働力が不足する。
従ってインフレになる。
グローバル化も本来ならば雇用を増やすはずだ。
しかし現実のグローバル化は、単なる政治プロパガンダに
過ぎない。
結果として、格差拡大のお題目として利用されているにすぎない。
そのため失業率が増加している。
--ここまで--
また、丁度1年半前くらいでの「なぜ、日本のロボットは元気を失ったのか」という記事を転記したい。
冒頭でふれた人工知能というものの進歩が、日本のロボットにも大きな転換をもたらすようだ。
--ここから--
なぜ日本のロボットは元気を失ったのか
2016/01/13(水)
ロボット大国と言われた日本だが、最近は元気がない。
その中で気を吐いているのが、
高齢者や介護者、工場などの肉体労働者向けの筋力補助装置「マッスルスーツ」を開発し、大学発ベンチャーを通じて
販売を伸ばしている東京理科大学工学部機械工学科の小林宏教授。
日本のロボットはどうなっていくのかを聞いた。
★最近、政府もロボット産業の育成を声高に言っています。追い風が吹いていると感じますか。
小林:ロボットが騒がれてきたという実感はあります。ですが、実態が伴っているようには見えません。
確かに、日本はロボット大国ではあると思います。
工場などで使う産業用ロボットは頑張っていますが、
それ以外のところはうまくいっていないのが実情です。
最近開かれたロボティクスチャレンジというコンクールにおいても、日本は最高でも10位で、
韓国のロボットが優勝しました。
今の日本は、しょせんその程度です。
2000年頃、10年後にロボット産業の事業規模が非製造業も含めて年3兆円ぐらいになると言われていた。
当時、ヒト型ロボットが相次いで出てきて、国家プロジェクトも立ち上がり、それに伴って、
ロボット開発に多くのお金が付きました。
ですが、結局はたいして伸びずに、今に至っています。
★問題はどこにあるのでしょうか。
小林:ユーザーがうまく使えるようなロボットが、まだできていないことだと思います。
気になっているのが、
ある誤解の広がりです。
ロボットは、仕事の効率を上げるための手段ともよく言われます。
ですが、
それは必ずしも正しい考え方ではありません。
これから日本の経済が右肩上がりに伸びていくことなんてないし、人口も減っていく。
いかに持続できる社会を作り、国民のクオリティー・オブ・ライフを高めていくかが、ロボットに課せられた役割になるでしょう。
僕は、ロボットはそのためのツールだと思っています。
★日本が得意と言われてきたヒト型ロボットについて、どう見ていますか。
小林:技術の水準は高いし、見ていて面白いとは思うのですが、役に立つかというと、やはり役には立ちません。
★何が足りないのでしょうか。
小林:一番欠如しているのは知能です。
ロボットが本当の知能や感情を持つには、アイデンティティーを持たなければならない。
そんなことはあり得ないですね。
米国ITベンチャーなどの人工知能が注目を集めていますが、
あれはしょせん検索エンジンにすぎません。
インターネット上に様々な情報がたくさん転がっているので、検索によってそれらを引っ掛けてくる。
それをちょっとうまくやっているというだけで、知能でも何でもないんです。
騒がれてはいますが、
本質的なところとはちょっと掛け離れている。
日本でも、自律的に学習する人工知能を持たせたヒト型ロボットも出てきています。
そうしたロボットが社会を変えるという触れ込みもあるようですが、まあ、おもちゃで終わるでしょう。
そもそも、ヒト型でなければならない必然性がないのかもしれません。
★未来のロボット社会をどう描いていますか。
小林:ロボット化が進むと、ロボットがいわゆるロボットの形でいる必要はなくなっていきます。
例えばエアコンや洗濯機といった家電が、見た目はそのままに、中身はすでにロボットになっています。
今後は、いろいろなところにセンサーが付いて、使う人に最適なサービスを提供するようになるでしょう。
部屋の中に多くのセンサーが付いて、独居老人などの動きがおかしいと判断したらすぐに通報できるようになるとか。
ヒト型のようなロボットが周りを動き回ったって、邪魔にしかならないと、私は思います。
★日本のロボットは元気になれるのでしょうか。
小林:人間の生活や作業に直接関わるようなロボットを、産業としてきちんと育てることが
重要だと思います。
例えば、体に装着し、人の動きをサポートするロボットは、
構造や作り込みにきめ細かさが求められます。
そこでは、日本人独特の繊細さ、きめ細かさというものが生かせるのではないかと考えます。
★まさに今、先生が手がけているロボットですね。
小林:私が目指しているのは、ロボットを通じて、誰もが体を痛めずに、働ける環境を作ることです。
例えば、高齢になっても、若い頃とそれほど変わらずに動き続けられるようにすることです。
そして最終的には、「生きている限り自立した生活ができる」ことを実現したい。
今、力を入れている、「アシストスーツ」と呼ばれる装着型ロボットは、
工場などの作業員の力が弱かったり、作業員が痛みを感じたりする場合にサポートするためのものです。
決して、生産の効率を上げることを目的にしているのではありません。
★事業の手応えはどうですか。
小林:200社ぐらいに貸し出しています。
問い合わせ件数の内訳は、介護向け1に対して、
工場向けなどその他が3ぐらいですね。
腰を痛めたり、作業がきつくて
すぐ辞めてしまったりする人が多いことに、困っている工場がけっこうあります。
既に製品化している腰を補助する装置は、ユーザーニーズの最大公約数をベースに開発しました。
デモンストレーションなどでは、腕に装着するタイプも欲しいという声が多い。
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なるほどなぁ、と思う。
単純労働がなくなる → 単純作業がすべて機械化されるということを意味しているのではないのだな。
ロボットが人間をアシストして、老齢となっても、変わらず働けるという状態を維持させるというような多様なバリエーションがあるということか。
なお、記事にあるようにソフトバンクのごとく、ロボットが「人型」にこだわる理由を書き込みから。
--ここから--
2009/04/02(木)
確かにある作業に特化した形態はあり、人型にこだわる必要はないのだが、
「人が住んでいるところに入り込んで働く」
ためのロボットとしては、「人と同じ者を使って同じことができる」能力が求められる。
そのためには「人と同じ形状」が望ましいのは事実。
包丁や調理器具を人間と同じように使い、掃除機を人間と同じように使い、洗濯物を同じように干せる方がいい。
つまり究極はメイドさんアンドロイドなわけで
--ここまで--