2017年6月16日金曜日

jr西日本、瑞風の運行の持つ意味

どこに核心があるのだろう。
 都会の人を田舎へ運ぶ手段・方法—ということか。
 地方からすれば、町興しのきっかけとなるということだろう。
 うまくいくかどうかは、分からない。

 でも。
 間違いなく、今までになかった、「タネ」を見つけたことは確かだ。

 以下、新聞から抜粋。(長文なので、筆者が大幅にカットする)

 JR西日本の豪華寝台列車「トワイライトエクスプレス瑞風(みずかぜ)」の運転が17日に。
 山陽、山陰などの沿線各地は活性化への期待で熱気を帯びる。
 発着駅、13の停車駅は乗客専用のラウンジや記念モニュメントが相次ぎ完成。
 地元は体験型の観光メニューを用意し、PR。
 沿線では人口減が進み、地域の魅力を発信する瑞風を起爆剤にできるかが問われる。

 萩駅(山口県萩市)は停車駅の一つ。
 萩市観光協会は今、イベントの準備に追われている。
 「来年の明治維新150年を控え、瑞風で萩を全国にアピールする。二の矢、三の矢も放つ」と同協会の小川専務理事は意欲を見せる。
 駅では奇兵隊にふんした市民と公募した小学生の「こども駅長」が見送る。

 観光地の滞在時間はおおむね3~4時間。
 乗客は車窓に映る瀬戸内や日本海の風景にとどまらず名所旧跡の特別公開や専門家による講話で歴史や文化に触れられる。
 城崎温泉(豊岡市)では、旅館「ゆとうや旅館」が国の登録有形文化財である貴賓館「詠帰亭」をリニューアル。
 台風や大雪で傷み、一般公開していなかったが、観光ツアーの見学地に選ばれた。
 志賀直哉が泊まった「三木屋」も訪ね、伝統工芸品のわら細工もつくる。

 倉敷市では大原家旧別邸の特別公開があり、岩国市では鉄砲隊が射撃演武を披露する。
 広島の目玉は遊覧飛行だ。約40分間の遊覧飛行を一人3万5千円の追加サービス。

 瑞風の運転開始に合わせて駅舎の改装や新サービスも始まった。
 広島県廿日市市の宮島口駅は構内を木目調に改装。
 英語で駅や観光案内をする係員も配置した。
 鳥取県岩美町の東浜駅は駅舎の改築や旧保育所を改装・レストランを開設。
 浦富海岸の眺望が見られ地元の素材を生かした料理を提供。
 京都駅直結のホテルグランヴィア京都15階には瑞風の乗客専用のラウンジを設置。
 待ち時間に玉露や日本酒を楽しめる。
 関西大の宇都宮教授(交通経済学)は「地元の人が地域の魅力を再発見するきっかけとなる。
地方の鉄道を合理化対象とみていた鉄道会社も役割を見直すことになる」とみる。

 豪華列車ブームの火付け役はJR九州が2013年に運行を始めた「ななつ星ln九州」だ。
 倍率は16倍に上る。
 鉄道ジャーナリストの梅原氏は「1両に2部屋という特別感が成功の要因。高級ホテルにいるような非日常を楽しむクルーズ船の客層と重なり、乗り比べする人もいる」と話す。

 「瑞風」の初年度の運行収入見通しは約10億円と、JR西日本の業績への影響は小さい。
 運行だけでは採算はとれないが、山陽・山陰地方の魅力を掘り起こし、観光客が訪れるきっかけをつくる「広告塔」としての役割を目指す。
 瑞風は6~9月出発分の予約平均倍率が5・5倍で完売。
 シティグループ証券の姫野アナリストは「山陽・山陰は九州に比べて知名度が低い。首都圏のアクティブシニアを呼び込む仕掛けが必要だ」と指摘する。

 瑞風の走る中国地方は人口減少が続く。山陰線はこの30年で旅客数が約3割減った。
 JR西は中国山地と日本海側を結ぶ三江線(三次-江津)を18年4月に廃止。
 瑞風のコースはJR西の各地の支社が地元の商店や自治体と協力して観光素材を洗い直し、1年かけて決めた。
 観光客を増やすには、同様の連携を深めることができるかがカギとなりそうだ。

補足、感想など

 高齢者となれば、海外への飛行などはきつい。
 また、ヨーロッパ等では強盗・テロなどのリスクも高い。
 国内ならば、リスクは低いし、また、仮になにかあったとしても対応が容易だ。
 ただ、首都圏の老人層を顧客として狙うなら、起点である大阪駅まで来てもらわなくてはならない。 まぁ、こういう列車に乗る人は、3時間なんて気にならないか。
 
 春は、桜があるだろうし、秋は紅葉がある。温泉もあるし、ハイキングもあるだろう。
 ルートだって、一つというものではあるまい。
 う~ん、コロンブスの卵のような感じではある。

 こうしてみると、誰が思いついても不思議ではないが、最初に発想した人間は偉いなぁ。