▲先の大戦の初期、日本は南進作戦を採用した。
領土拡張という意味では、日本は17世紀始めに、ヨーロッパ諸国を中心とする大航海時代から、自ら選択してドロップアウトした。
19世紀後半、明治維新というリセットを経て、富国強兵に走ったのだが、英国を出発点とする産業革命に100年遅れの出発となった。
大航海時代にドロップアウトしたこと、産業革命に100年遅れたことが、日本という国を西欧というか産業革命組との技術格差、富の蓄積の差を決定的にしたのだ。
20世紀始め、日本は遅ればせながら領土拡張という目的の帝国主義を採用して、東アジアに拡張しようとした。
まぁ、国土が広ければ、それだけ国が富むという当時の常識<英国を見習ったのだろうな>に従ったものだ。
ここで、100年先行する産業革命組と確執が激しくなり、太平洋戦争に突入した。
日本は基本的に農業国だ。
江戸時代の藩が、その領地でとれるお米の量で、表されていることをみれば分かるであろう。
戦争をするには、エンジンを動かさなくてはならない。
そのためには、どうしても石油が欲しかったのだ。
石油資源が欲しい故の南進作戦であった。
このように、エネルギーというものは、国の命運すらも左右するものだ。
今の原発の再稼働に反対するという人達は一体なにを考えているのだろう。
日本に石油資源なんてものはない。
原発に代替するエネルギー源はまだ見えていない。
どうやら、水素を中心としエネルギー源としよう—という方向性はぼんやり見えてきたようだ。
それでも、原発に代替するエネルギー源となるまでにはもう数十年かかるのだ。
それを考えると、今の日本の選択としては、原発の再稼働しかないのだ。
そのあたりを理解して欲しい。
以下、新聞から抜粋。
九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)の地震対策は不十分だとして、
周辺住民らが再稼働の差し止めを求めた仮処分申し立てで、鹿児島地裁は22日、
請求を退ける決定をした。
▲補足、感想など
どうやら、鹿児島の川内原発の再稼働が最初となりそうだ。
これを契機にして、次々と原発を再稼働していこう。
原発を再稼働していけば、海外からの天然ガスなどの輸入が減って、日本も黒字が大きくなる。
日本のインフラ整備などへお金も掛けることができる。
先日だったかな。
産経が日本という国が資源小国であることを直視しろ—とか記事にしていた。
筆者も同感だ。
それをご紹介したい。
--ここから--
人間は、見たいと思う現実しか見ない」。
古代ローマ帝国の初代皇帝、ユリウス・カエサルはこう語った。
多くの人々は「見たくない」現実に目をつぶる。古今東西変わらぬ人間の性だろう。
震災前、東京電力や規制官庁は、福島第1原発を巨大津波が襲うという可能性を一顧だにしなかった。
結果、防潮堤など対策を怠り、あの事故を招いた。
だが福島の事故を忘れてはならないように、エネルギー不足のリスクもまた、忘れてはならない。
事故後、全国の原発が次々と停止したことで、日本の発電は火力頼みとなった。
その結果、電気料金は震災前に比べて家庭向けで2割、企業向けは3割も上昇した。
それでも、発電できているだけましかもしれない。
昭和16年、米国などによる対日石油輸出の全面禁止が実行された。
日本は石油を求めて南方に進出し、先の大戦の原因の一つとなった。
戦後の昭和48年に起きた第1次石油危機は、社会・経済を大混乱に陥らせた。
わが国の石油備蓄は、危機を教訓に増やしたとはいえ、国家・民間合わせて190日分程度しかない。
中東危機が再燃し、日本に原油が届かなくなる事態を想起し、備えることは欠かせない。
原子力は確かに危険をはらむ。
だが、日本は残念ながら、原子力にある程度頼らざるを得ないほど資源小国なのだ。
事故を教訓に、原発とどう向き合い、より安全に利用していくか。
その一つの解答が、新たな規制基準を満たした原発の再稼働だろう。
エネルギー危機発生時に急遽、原発を稼働しようとすれば、
規制基準に沿った安全確認がおろそかになる。それこそ福島の教訓を無視することにつながらないか。
今、多くのメディアは原発停止が招く「エネルギー危機」を見ようとしていない。
全国の火力発電所は、満足な補修も受けられないままフル稼働する状態が4年間続き、いつトラブルが起きてもおかしくない。
危機の可能性に目をつぶり、代替案もなく「脱原発」という空気に浸るのは、思考停止だというほかない。
--ここまで--
正論というしかない。