▲「虎である日本」—という言葉に注目してほしい。
この部分こそ、今回のオバマさんから安部さんへの厚遇の理由なのだ。
アメリカも、今、日本が「千里の荒野に放たれた虎」であることを認めている。
故に、強者同士の同盟—という点で、オバマさんは対応している。
どちらが主で、どちらが従—ということはない。
それはgnp
を比較すれば、差がある。
しかし、国土・人口を考えれば同然であろう。
その部分を踏まえた上での強者同士の同盟だ—ということに意味があるのだ。
イクオールパートナーという感じかな。
以下、新聞から抜粋。
米国を訪問している安倍首相はホワイトハウスでオバマ米大統領
と会談。
両首脳は会談に合わせて、第二次世界大戦で敵対しながらも戦後70年間、国際社会の平和と繁栄に貢献してきた日米関係を
「和解の力を示す模範」とアピールする「共同ビジョン声明」を発表。
声明では、合意した日米防衛協力の指針改定
の意義を強調、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の日米交渉で「大きな進展があったことを歓迎する」と明記。
安全保障と
経済の両面で「歴史的な前進」を確認した。
歓迎式典が開かれ、大統領は貿易や人権問題など幅広い分野を挙げて「私たちの同盟は未来にフォーカスしている」
と強調。首相は「今、両国関係はかつてないほど強固になった。
世界は多くの課題に直面している。課題の解決に先頭に立つ」と述べ、
世界の平和や繁栄のため日米が主導的な役割を担う決意を表明。
安倍首相の公式訪米は第2、3次政権では初めて。
オバマ大統領との首脳会談はオーストラリア・ブリスベンで行われて以来。
両首脳は共同ビジョン声明と「より繁栄し安定した世界のための日米協力に関するファクトシート」「核拡散防止条約(NPT)に関する
日米共同声明」の3文書を発表した。
戦後70年の日米関係について「かつての敵対国が不動の同盟国」となった実績を強調し「アジア及び世界において
共通の利益及び普遍的な価値を促進するために協働しているという意味において、和解の力を示す模範となっている」と評価。
首相が掲げる
「積極的平和主義」と、アジアを重視する大統領の「リバランス戦略」の緊密な連携により「両国の安全及び繁栄は相互に絡み合い、切り離すことができず、国境のみによって定義されない」とした。
新指針については「同盟を変革し、抑止力を強化し、新旧の安全保障上の課題に長期にわたり対応していくことを確実にする」と評価。
「日本が地域の及びグローバルな安全への貢献を拡大することを可能にする」として世界規模の同盟強化につながることを歓迎する一方、
米国は日米安全保障条約に基づく日本と地域の安全へのコミットメントに「固い決意」を表明した。
南シナ海などへの海洋進出を
強める中国を念頭に「力や強制により一方的に現状変更を試みることにより、主権及び領土一体性の尊重を損なう国家の行動は、国際的な
秩序に対する挑戦」と批判した。
TPP交渉については「アジア太平洋地域の全体にわたって経済成長及び繁栄をけん引」と早期妥結の必要性を強調。
「ダイナミックかつ
急成長するアジア太平洋地域及び世界中で、貿易・投資のルールを定めるために主導している」と日米両国の役割を自賛した。
ファクトシートは両政府が取り組む課題と現状認識をまとめたもので、高速鉄道開発▽宇宙・サイバー分野▽地球温暖化や原子力
安全・規制分野▽アジア太平洋地域の海洋保安・海洋安全保障▽テロ対策??などでの協力強化を確認。
NPTの共同声明では
「広島、長崎の被爆70年において核兵器使用の壊滅的で非人道的な結末を思い起こす。
広島、長崎は永遠に世界の記憶に刻み
込まれる」と核兵器の非人道性を訴えた。
▲補足、感想など
オバマさんも、民主党時代の日本の首相達に対応するのは気持ち悪かったろうなぁ。
なんせ、他者から「おまえ朝鮮人だろう」と言われることを死ぬほど怖がっているという、なんというかルサンチマンを胸の奥底に隠した人間と話し合う—なんて、「やってられない」という感じだろう。
ルーピー鳩山さんは、もうキチガイだから、どうでもいいとして--。
菅さんなんて、僻み根性で一杯、君が代を歌うのも嫌だ—という人となにを話すのだ?
野田さんは多少マシという感じか。
あの民主党時代の首相と話し合うことと比べると、安部さんの安定感は比較になるまい。
戦後レジームが崩壊して、日本が「千里の荒野に放たれた虎」と化し、安部さんの安定感(少なくとも、隠すべきルサンチマンがない)と相まって、このタイミングで日米という国家の組み合わせを考えたものだろう。
日本は、アメリカに簡単に迎合もしなくなるし、言うことも聞かなくなるだろう。
それは強者同士であるからやむを得まい。
それでも、日本とアメリカという強者同士が、とにもかくにも、安定的に同盟という「一緒に行動しよう」ということで敵対しないことが、世界の平和を守るために必須のことなのだ—ということはよく理解しているのだ。安部さんもオバマさんも。