2015年5月16日土曜日

乾坤一擲、橋下さん。

乾坤一擲という言葉が、これほどぴったりする投票はないな。
 橋下さんは、政治家そのものを敗れれば辞めてしまう—と公言。

 男の一生には、必ず、こういうことがあるなぁ。
 文字通り、一か八か、のるかそるか—ということが。

 ただ、橋下さんという「政治家」を失うのは、日本という国単位でみると惜しいな。
 並みの—という言い方はちょいとだが、世襲した二世三世の政治家と比較すると、橋下さんという人は、頭一つ抜きでているものなぁ。

 いずれは、限りなく首相に近いポストにいると思われる素材だが---

 以下、新聞から抜粋。

 「大阪都」構想の成否を分ける住民投票が17日に行われる。結果は維新の党の盛衰や野党再編、さらには憲法改正で維新との連携をにらむ安倍晋三首相の政権運営にも影響しそうだ。
 ケーススタディーをまとめた。

 ◇民主は否決歓迎?

 投票は17日午前7時に始まり、午後8時に締め切られる。
 開票は同9時からスタートし、深夜には結果が判明する見通しだ。

 「最後は一歩を踏み出すかの判断だ。劣勢だが賛成票をできる限り集めていただきたい」。
 橋下徹大阪市長は14日、街頭演説し、都構想への支持を訴えた。

 橋下氏は構想が否決されれば「政治家を辞める」と政界引退を公言。
 「公約」を守り市長を辞職する場合、混乱を避けるため、「任期満了となる12月までは続ける」との見方がもっぱらだ。

 橋下氏が政治から身を引くことになれば、影響は甚大だ。
 維新は橋下氏という「推進力」を失い来夏の参院選での党勢拡大が見通せなくなる。

 一方、民主党内には、同党主導で野党再編が進むとの期待感がある。
 党中堅は「合流を持ち掛ければ、東京系がこちらへきて維新は分裂する」とみる。

 都構想に共感を示してきた首相ら官邸サイドは、改憲戦略の練り直しを迫られる。
 官邸は、改憲に前向きな維新の協力を得て、参院で改憲発議に必要な3分の2以上の勢力を確保し、衆参両院で発議の環境を整えたい考え。
 だが、維新がつまずけば思惑は外れる。
 政府関係者は「ここで負けられては困る」と本音を漏らす。

 もっとも、橋下氏の「政界引退」には懐疑的な見方も根強い。
 公明党の中堅は「橋下氏はかつて大阪府知事選への出馬を『2万パーセントない』と言って翻した。参院選には出てくるのではないか」と警戒は解いていない。

 ◇可決で改憲派に勢い

 逆に、維新が主要政党を敵に回して勝ちきれば、橋下氏の存在感が増すのは確実。
 維新内では橋下氏が党代表に復帰し、参院選出馬への期待も高まる。

 「維新勝利」は官邸サイドも歓迎だ。野党志向の江田憲司代表の影響力が相対的に低下し、維新が政権寄りのスタンスに傾斜、改憲に向けた連携も深められるとみる。
 民主党との距離も広がり、野党分断も図れると当て込む。

 ただ、「可決により、むしろ橋下氏は構想具体化のため市長の職務に専念せざるを得ず、当面は国政とは距離を置く」との見方もある。(2015/05/15


補足、感想など

 面白い—いや、皮肉ではなくて---
 世襲した政治家の「ひ弱さ」と、橋下さんの「気にくわなければオレをひきずりおろせ」と公言する「図太さ」との勝負とも言えそうだ。<図太さといったら、ちょいと表面的過ぎるか、胸の奥底にジリジリと燃える怨念がある限り--と言えば、多少は当たっているか>

 それにしても—と思う。
 都構想なる議論は、「今のままならこうなる」と「都となったらこうなる」という比較であるべきではないのかな。

 なにか、議論を聞いていると、都構想なるものの欺瞞性のようなものばかりを強調したナンクセの類ではないのか。
 むしろ、都構想に反対するなら、「今のままであれば、こうなる」と都構想よりも優る「優位点」を示してみよ。「今のままなら、都構想なんぞより、大阪はこんなに繁栄する」--と言ってみよ。

 肝心の「今のままならこうなる」--という点をぼかして、他者を攻撃しているだけではないのか。
 要するに、大阪市会議員というポストというか、親から世襲したお金儲けの場所を失うのが怖い—となんたら理屈をつけて、騒いているだけではないのか。

 「気に食わなければオレをひきずり降ろせ」くらいのことを、大阪市の市会議員の連中は言ってみよ。
 その上で、都構想なる「夢のような話」を攻撃するなら、まぁ、それもありかな—とは思うが---

 もっとはっきり言え。
 オレは、大阪市市会議員のポストを失うのが嫌なんだ---と。
 だから、都構想に反対しているのだ---と。