2015年5月29日金曜日

韓国で対日外交失敗論が噴出。代償の大きさに驚愕する。

対日外交の失敗って。
 そんなことはあるまい。韓国は、戦後からずーと同じことを続けてきたではないか。

 そんなところに核心があるのではない。
 核心は日本側にあるのだ。
 2014年に、日本の「戦後レジームという洗脳工作体制が完全崩壊」した—という点が、表題でふれた「驚愕するほどの大きさの韓国側が受けた代償」に繋がったのだ。

 まぁ、この日本側の「戦後レジームの完全崩壊」というものの影響を「過小評価」したことこそ、韓国の対日外交の失敗と言えるだろうな。

 朴大統領の「千年恨む」なんぞ、10年一日のごとき、「日本を叩けばお金がとれる」--と信じこんでの発言であろう。

 もう、「日本をいくら叩いてもお金がとれない」のだ。
 「慰安婦で謝罪させればお金がとれる」なんてことはない。

 やればやるほど、日本人の態度が硬化するばかりだ。
 日本人は、捏造慰安婦なんぞで、絶対に謝罪も賠償もしない。
 また、日本国内のなんとか歴史研究会なんぞという朝鮮系の工作員など、まるっきり信じていない。
 騙(だま)されはしない。ミスリードされはしない。

 以下、新聞から抜粋。著者は日本人なのだが、韓国人の文章を文中で引用して分かりづらくなっている。茶色が引用部分、青色が日本人記者の文章と色分けする。

 韓国は代償を払う立場に

 韓国は不思議な国である。
 周辺国で変化が起こると初めて自らも行動する。
 常に受動的。韓国が一歩先に出て行動することがない。

 昨年、韓日外相会談がミャンマーで行われた。
 その間、韓国の尹外交部長官は、岸田外相との会談を拒否していた。
 日中外相会談が、実現した後、日韓外相会談も1日遅れで行われた。

 日韓外交が「凍結」状態にあった理由は、慰安婦問題である。
 韓国が謝罪を要求しているのに日本が応じない。
 理由に、韓国が外交交渉を遮断した。

 尹外交部長官は、駐韓日本大使すら会見しないという強面を貫いていた。
 日本は、大使に対して、安倍首相や岸田外相まで会見するという「門戸開放」を貫いた。

 韓国外相が日本大使に会わないのだから、日本も対応をしてもおかしくはない。
 韓国は余りにも感情的に振る舞ってきた。
 今は、自らが蒔いたタネの大きさに驚き、おかしいほど右往左往を始めている。

 韓国は、安倍首相による米会議での演説が好評を博したことに衝撃を受けた。
 安倍演説直後は、批判的なコメントを流していた。

 だが、米国議会の雰囲気が、「日米新時代」のムードを濃くしていることに気づいた。
 このままだと、日米同盟強化のなかに韓国が埋没する。
 危機感を強めている。

 もはや、慰安婦問題が日韓外交を疎外していては「国益に反する」。
 ここまで、韓国の政界やジャーナリズムの意識が変わってきた。
 安倍訪米後、2週間で劇的な変化が見られる。


 韓国は代償を払う立場に
 朝鮮日報』は、コラム「対日外交の戦略ミス、代償を支払う韓国」を掲載。
 筆者は、崔普植(チェ・ボシク)記者である。

①「昨年3月、オランダで韓米日首脳会談を思い出してみよう。
 会談前、安倍首相は韓国語で、『朴槿恵大統領様、今日お会いできてうれしく思います』とあいさつを行った。ところが、朴大統領は反応を示せず、握手さえ拒否した。
 『慰安婦問題」での謝罪を拒否する安倍首相が気に入らないのは当然だが、それでも彼は日本という国を代表する首相だ。
 彼の背後には日本国民がいるのだ。
 韓国は、日本に比べて国際舞台で決して優越した立場にあるわけではない。
 通常、外交の舞台では、不倶戴天の敵と遭遇する場合でも、感情を表出することなどあり得ないし、またあってはならない。


 「正論」である。このコラムが、「平記者」の執筆であることに注目したい。
 朝鮮日報が、韓国外交を批判し日本を評価する記事を認めたことは、意味があるはずだ。
 新進気鋭の記者に任せる。社内コンセンサスがあったのであろうか。
 最近、韓国国内では「日本人を敵に回すな」という主張が聞かれる。
 朴大統領のあの態度は、日本人を敵に回したとも言える。

②「その後、安倍首相と日本は右傾化に弾みをつけ、日本の『外交青書』では韓国について『自由民主主義の基本的価値を共有する』の記述を削除した。
 さらに安全保障政策においては韓国を米国、オーストラリア、インドよりも格下に分類しようとしたが、これは米国の制止を受けて取りやめた。

 もちろん3カ国首脳会談における朴大統領の行動が全ての始まりだったとはいえないだろう。
 しかし外交は相手がいるものだ。
 外交の舞台で、統治者が自らの感情を前面に出した場合、当然悪化する。
 安倍首相個人についてどうこう考え、個人の感情をむき出しにするのではなく、抱える問題や置かれた立場についても念頭に置かねば、国の将来に対する望ましい方向性が見えてこない」。

 外交とは、意見の相違があることを前提にして、それを双方が納得して解決するかにある。
 韓国は、原則を無視して日本とは一切の会談を拒否した。
 不思議なのは、韓国外相の姿勢である。大統領に見倣ってきわめて横柄な態度を日本にとってきた。
 外相の役割は、大統領の発言できない部分を代行して、双方の歩み寄りの可能性を探る役割である。
 外相の器でない人物なのだろう。
 韓国の国益を著しく毀損した人物と言うべきだ。


③「安倍首相は習近平国家主席と2回も首脳会談を行い、また米国を訪問した際にはオバマ大統領との個人的な関係を誇示した。
 結果、われわれは自分たちがいかに自己本位だったか、また見たいものしか見てこなかったかを悟った。
 最終的に朴大統領も日本について、『われわれの外交政策は過去の歴史に埋没することなく、経済や安全保障面での協力は今後も拡大する』と述べた。
 日本が手を差し出した時にはこれをはねのけ、日本が手を引っ込めた時に後から手を出そうとしているのだ。
 『今知っていることをあの時も知っていれば』という詩がある。
 韓国政府にとっては今知ってもすでに手遅れになっていることが非常に多い」。

 朴大統領は、安倍訪米後に対日外交の基本線を変えた。
 従来は、慰安婦問題を解決しない限り、首脳会談に応じないとした。
 それが、「われわれの外交政策は過去の歴史に埋没することなく、経済や安全保障面での協力は今後も拡大るする」に変わった。
 過去が未来を拘束するという、外交戦略ではあり得ない戦略にこだわっていたのだ。
 日本が手を引っ込めてから慌てて融和策に出てきたとも言える。
 日韓外交における韓国の立ち位置が、不利になるのは当然であろう。

 金大中氏の親日論へ回帰
 『中央日報』(5月11日付け)は、コラム「朴槿恵は、金大中の親日に学べ」を掲載した。
 筆者は、カン・チャンホ論説委員である。

④「朴大統領の対日外交は、慰安婦問題一つにあらゆるものをかける。目標を赤裸々に示す。
 外交的な余白が全くないこの直説は、朴大統領にとって慰安婦解決という成果がどれほど切実なのかよく伝えてくれる。
 反韓的な安倍首相から反省を勝ち取りたいという夢を、これほど馬鹿正直に推し進める大統領はいないだろう。
 だが大韓民国にとって日本の『反省』は、一時的な現象だった。
 これを対日外交の無条件な前提として釘をさすことはできない。
 本当に対日外交で成果を出したと自負する秘訣を学ぶには、口では抗日、体では親日だった金大中元大統領に視線を転じなければならない」。


 韓国の歴代大統領のなかで、対日実利外交を演じたのは金大中氏であると指摘。
 老練な政治家であった。
 口では「抗日」、身体では「親日」を貫き、日韓双方に多大な利益をもたらした大統領である。
 金大中氏と言えば、例の「金大中事件」の被害者である。
 韓国中央情報部によって、日本から韓国へ拉致された事件である。
 日本海で危うく命を落とすところを米国のCIA(中央情報局)が察知して難を逃れた。
 日本へ来ていたのは、韓国の軍事独裁政権(当時)打倒の運動を繰り広げ支援を求めていたからだ。
 このように、金大中氏は日本を民主主義国の仲間として見ていた。

⑤「金大中は野党時期、李承晩を『偽装親日』、朴を『本格親日』だと猛攻した。
 しかし政権につくとすぐに朴正煕を上回る親日に没頭した。
 歴代政権の誰も意欲を出せなかった『倭色』日本の大衆文化を熱心に開放した。
 劇場に日本映画が上映されるなど、現実になったのが金大中政権の時だ。
 今、新政治民主連合がとんでもないと強く拒否する韓日軍事協力を初めて推進した人、野党総裁時代に日本大使館の天皇(裕仁)の葬儀室を訪れて頭を下げ、大統領になるとすぐに天皇を天皇と呼んだ人も金大中だ」。


 金大中氏が、対日外交で柔軟な姿勢を取った背景に、戦前の日本と戦後の日本では全く異なることを肌で知っていたからであろう。
 植民地時代、日本が朝鮮社会の近代化に努力した事実も理解していたはずだ。
 現在の韓国は、「糞も味噌」も一緒にした議論を行い、日本批判一色である。
 だが、歴史的事実を調べれば、朝鮮が産業革命に成功したのは植民地時代である。
 韓国が、「中所得国のワナ」から抜け出せたのは、戦前の産業革命の結果である。
 これは間違いない事実だ。
 金大中氏は、これを理解していたからこそ、日本文化を解禁したに違いない。


⑥「朴大統領には対日外交の戦略が最初から不在している。
 過去2年間、政府が『静かな外交』から脱却して日本に声を出したことは意味が少なくない。
 しかし相手方が全く動かなければ原則の中の柔軟性を発揮するべきだった。
 韓国と同じように、安倍首相との首脳会談をボイコットしながらも、多国間の舞台で略式会談を持つ便法によって外交需要を解消した習近平を見習う必要がある。
 金大中が親日を断行したことと李明博・朴槿恵が強硬反日路線を歩んだことはコインの両面だ」


 中国の習近平氏が、安倍首相と2回の会談を持った背景は、中国経済の凋落がある。
 手が着けられないほどの減速に見舞われている。
 すでに1~3月期の「瞬間風速」は、5.3%にまで落ちこんだ。
 ふんぞり返っていられる状況にはない。「ニーハオ」と言わざるを得ない立場だ。
 韓国も同様の状況に追い込まれている。

 日本は、「歴史認識」「慰安婦問題」で謝罪せよ。そんなことを言っていられないほど、経済的に追い詰められている。

 ブログで、次のように強調してきた。
 韓国経済が追い込まれない限り、朴大統領は態度を変えまい。
 経済の不調が日本接近の要因になる。
 現在、その局面にきている。
 米中の対日姿勢も、立場は異なるが特段の変化をしている。
 韓国は、対日外交での孤立を怖れ始めたのだ。
 韓国自らが先手を打つのでなく、周辺国から背中を押されての対日接近である。

 韓国の意図的な「対日接近論」は、日本中で反対論を巻き起こすだろう。
 今さら何を言うのか。
 それこそ、日本に謝罪してから出直すべきだという話しが出ても不思議はない。
 それほど、日本は言われなき中傷の嵐に巻き込まれてきた。
 現に、世界遺産問題で再び非難を浴びせている。
 「対日接近」実現の前には、これまでにできた大きな溝の修復が必要であろう。
 それほど、日韓の和解は困難な問題になっている。

⑦「野党が与党を『骨の髄まで親日』といって攻撃する国で、対日実利外交を繰り広げるのが難しいのが事実だ。
 国民も考えを変えなければならない。
 韓国中が日本に対してのみ道徳と外交を混同している一面的な意識から抜け出せない。
 このような根本原因を無視したままで、大統領に対して柔軟な外交をせよ、外交部長官を変えろと要求するのは『目をおおうて雀を捕ろう』というようなものだ。
 問題は私たちの中にある。中から清算しなければならない」。


 韓国は、兵士がベトナムで不道徳行為を行いながら、それを棚上げして日本には道徳を規準にした外交戦略を立てて譲らないのだ。
 韓国メディアが、堂々と「日本に対して道徳教育を行い、慰安婦問題で謝罪させよう」との主張を展開したほどである。
 こういった、上からの目線で対日外交を行ってきた現実をどのように修正するのか。

 この感情論を煽り立ててきたのが韓国メディアである。
 自らの責任を回避して、「問題は私たちの中にある。中から清算しなければならない」とは、韓国メディアの「扇動主義」を先ず反省することが必要である。
 韓国の一般国民は、事情もよく分からないままにメディアの論調に乗せられている面がある。
 メディアこそ、率先して「扇動報道」を止めることである。

(2015年5月28日)
 
▲補足、感想など

 冒頭でふれた。
 この日本と韓国との齟齬の核心部分は、日本の戦後レジーム崩壊の影響を、韓国側が見誤ったという点にある。

 それは、日本にいる朝鮮系洗脳工作員達の「日本人洗脳工作」「世論誘導工作」能力というものを過大に評価していたということでもある。

 このブログなんどもふれた。
 戦後レジームの崩壊というものは、非可逆性をもっている。
 もう、元には戻らないのだ。

 戦後レジームの完全崩壊と同時に、日本は「次なる150年」と言う新レジームへ突入したのだ。
 そこは、もう産業革命組の先達の背中さえ見えない世界だ。
 また、このことは日本史的にいえば、織田信長あたりから約500年を経過して、世界の最先端へ復帰したということでもある。

 薄闇の中、手探りで前進するしかない。自分の目と才覚だけを頼りにして進むしかない---そういう150年なのだ。

 そんな時、韓国人なんぞという「目玉が後ろ向きについているような民族」にかかずりあっている暇はない。

 韓国は、日本が見捨て縁切りした国家だ。
 関わらない、助けない、教えない—どうでもいい国だ。