2015年6月10日水曜日

北東アジアの経済地図が変化してきた。

韓国の新聞の記事なのだが、北東アジアという広い範囲を俯瞰した記事となっている。
 まず、記事を抜粋。

 日本経済は回復し、中国経済は徐々に鈍化している。
 一世代続いた「日本没落、中国浮上」という北東アジア経済地図に変化が生じた。

 日本の1-3月期の成長率は1%(年率3.9%)と、韓国(0.8%)を上回った。
 持続的な構造改革と円安好況で目を引く成果を出している。

 一方、中国は4-6月期の成長率予測値が6%台に落ち、5%台のハードランディングまで懸念されている。
 「ジャパンサプライズ、チャイナショック」だ。

 韓日中は垂直分業構造であると同時に、主力産業で競合関係にある。
 3カ国間の貿易収支はジャンケンをするように黒字と赤字で絡み合っている。

 経済の長期傾向が変われば衝撃波が伴う。
 韓国としては、日本が浮上しても問題、中国が沈滞しても問題だ。
 北東アジア経済にどんなことが生じているのだろうか。

◆ジャパンサプライズ、企業の投資が牽引

 日本内閣府は、1-3月期の実質GDP修正値を前期比1.0%(年率3.9%)増と発表。
 4期連続のプラス成長だ。物価上昇率を含む名目成長率は2.3%(年率9.3%)にもなる。
 1990年以降の最高値だ。

 この流れなら、今年は日本の成長率が韓国を上回ると予想。
 経常収支も観光収支の大幅増加を受け、黒字を維持している。
 4月の黒字は1兆3264億円にのぼった。

 何よりも企業の設備投資が成長を牽引している。
 1-3月期の企業の設備投資は2.7%増加した。
 特に小売業・流通などサービス業の投資が大幅に増えた。

 日本経済が本格的に消費回復軌道に入ったという分析が出ている。
 日本企業の体質改善が投資の増加につながっている。
 売上高は大きく増えていないが、経常利益は2012年以降、最高水準を更新している。

 1-3月期の日本企業の経常利益は7年ぶり最大の22兆2600億円となった。
 これに伴い、日本企業の倒産件数は724件にとどまり、前年同期比13%減少した。
 倒産企業数は1990年以来25年ぶりの最低水準だ。

 円安や原油安など外部的な要因が収益性の向上を支えているが、注目するべき点は日本企業の骨身を削る構造改革だ。
 改革による体質改善が設備投資の拡大を牽引し、こうした投資が所得を増加させ、消費の拡大につながることで、経済の好循環構造を作るのが、アベノミクスの目標だ。
 日本経済の回復は、すなわちアベノミクスの成功だ。

◆チャイナショック、1段階飛躍の終末か

 経済予測機関が中国の今年4-6月期の国内総生産(GDP)増加率(前年同期比)が6.8%前後にとどまるという見方を示した。これは1-3月期の増加率7%を下回る。
 予想通りなら2009年1-3月期(6.6%)以来の最低値となる。

 さらに米国・欧州の不振など悪材料が重なる場合、6.5%台まで落ちるという見方も。
 米WSJは5%台に急落する可能性まで提起。

 こうした予想は、中国経済が4-6月期には安定するという期待さえも吹き飛ばしてしまう。
 中国国内でも4-6月期の成長率を7%以下に下方修正する雰囲気だ。

 4月の産業生産増加率は過去最低、固定資産投資増加率は15年ぶり最低、輸出は5月まで3カ月連続減少など、経済指標が一斉に鈍化。
 低賃金を基礎とする中国の1段階経済飛躍は終わった。

 中国当局はその間、「ニューノーマル」を前に出し、自国経済が過去の高度成長から7%台の中・高速成長へと自然に構造転換中だと説明してきた。
 しかし成長率が7%以下に急落すれば話は変わる。

 高度成長の終末を越え、ハードランディングの可能性を懸念するしかない。
 中国への依存度が高い韓国経済には直撃弾だ。

 中国当局が近く浮揚措置を取るという分析も出ているが、これが国家資本主義の限界を表したのなら問題はさらに深刻だ。根本的な「チャイナショック」対策が急がれる。


補足、感想など

 中国にはお金のなる木でも一杯生えているのか。
 2008年のリーマンショックの際、中国政府が人為的に経済をバブル状態にして、以来、約7年か。

 7年も経過すると、さすがに、麻薬もその効き目が切れてきた—ということだ。
 もう、麻薬を打とうにもお金がない—ということだな。

 もしかしたら、中国にはお金のなる木が生えているのか--と思っていたが、さすがの中国の秘境にもそんな植物はなかったか。
 あぁ、お金のなる木に代わるものが、例のaiib なるイカサマ話か。

 これからは、中国は地道に稼いていくしかない。
 ただ、地道に稼ぐ—てことが、中国人にできるかな。

 なにかを a 地点 → b地点 を動かしたら、これだけ儲かったとかいう話が大好きだからなぁ。

 不動産バブル崩壊は、もう待ってはくれない。
 どうでもこうても、地道に稼ぐしかない—ということが、身にしみるタイミングがくるさ。

 記事では日本のことが取り上げてあるが、日本の場合、どれもこれも「地道に稼ぐ」ということを繰り返してきた結果なのだ。
 日本は1980年代末にバブルというものを経験している。
 その時の反省というか自戒が今も胸の中にあるのだ。